ASCENT2023-denshi
14/32

豆知識 計算のための道具は、そろばんや歯車式の計算機から電動式の計算機、電子の流れを制御できる素子を用いた電子計算機へと発達してきました。 図はシリコン結晶に不純物を加えてマイナス電荷を持つ電子を過剰にしたN型半導体とマイナス電荷が不足したP型半導体を組み合わせた半導体素子の例(トランジスタ)です。中央の領域に加える電圧をプラスにすると電流が流れ、マイナスにすると電流が流れなくなります。 1970年代には、電子計算機に与える命令を解釈して実行したり、計算を行ったりする中央処理装置(CPU)を数センチのシリコン基板上に作成したマイクロプロセッサが開発され、パーソナルコンピュータ (PC)が登場します。 微細加工技術の進歩にともなって、マイクロプロセッサに搭載できる半導体素子の数が2年に2倍のペースで増え、演算速度も速くなりました。しかしながら、近年、速度は上昇しなくなり、演算装置(演算コア)を多数搭載したプロセッサが用いられるようになりました。 日本のフラグシップ計算機「富岳」では48個の演算コアを持つプロセッサが16万個使用され、これらが同時に命令を処理することにより、1秒間に50京回の計算が可能です。メニーコアプロセッサコアトランジスタの原理N型P型N型計算機の発達計算機の発達

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る